ブランディングの科学、戦略ごっこで出てくるダブルジョパティの法則について概要やその根拠についてまとめました。
ダブルジョパティの法則概要
具体的には、市場シェアが低い(=浸透率が低い)ブランドは、購買者数が極端に少ないうえに、その少数の購買者のブランドに対するロイヤルティも低いという傾向が一貫して見られます。
この「ロイヤルティが低い」というのは、購入頻度などの行動的ロイヤルティだけでなく、ブランドに対する好意度や愛着などの態度的ロイヤルティも低いことを意味します。
しばしば「ニッチな少数ファンに熱狂的に愛されているブランド」が想像されますが、実際のデータでは小規模ブランドの購買者が特別に高い愛着を示すケースは少なく、むしろ大規模ブランドのほうが平均するとロイヤルティ指標が高い傾向があります。
法則の根拠
1960年代に社会学者ウィリアム・マクフィーによって初めて指摘され(1963年)、その後マーケティング研究者のアンドリュー・アーレンバーグらによって消費財の購買データ分析で繰り返し確認されました。過去30年以上にわたり、食品や化粧品などの一般消費財から、自動車、小売店、テレビ番組の視聴率に至るまで同様のパターンが観測されており、この現象は業種や国を超えて成立することが実証されています。
下図は米国市場における洗濯用洗剤ブランドを例にとったプロットで、横軸が浸透率(%)、縦軸が平均購入頻度を示しています。右上に位置するTide(タイド)というブランドが突出していますが(浸透率・頻度とも特に高い)、それを除けば明確な上昇傾向が確認できます。すなわち、グラフの左下(浸透率・頻度とも低い)に小規模ブランドが集まり、右上(浸透率・頻度とも高い)に大規模ブランドが位置する形となっており、これがダブルジョパディ現象を視覚的に示しています。

なぜ起こるのか?
ただ法則だからと鵜呑みにするのは危険です。マーケティングは関係因子が多いので全てのケースで当てはまるということはなく、ちゃんと自社の事例に当てはまるのかを考えないといけません。
そのためにはなんでこの事象が起こるのかの因果関係を把握しておくことが重要です。
あくまで個人的な仮説ですが、いくつか挙げてみました。
市場シェアが高ければ棚に置かれるようになる
このダブルジョパティの法則でよく挙げられるのが消費財です。例えば洗剤とかですね。洗剤などの消費財はスーパーの棚などに置かれることが多いです。
市場シェアが伸びれば棚によく置かれるようになり、購買しやすくなりますし、消費者が目にすることも多くなるので購買頻度は上がります。
口コミが発生する
シェアが広がれば口コミの件数も増え、多くの人に見られるのでそれでも購入頻度は上がります。
利用シーンを見かけるようになる
LUUPなどのように利用シーンを見られるものも市場シェアと比例するので購入頻度が上がりやすくなります。
どの商材でも言えるのか?
上記のように市場シェアが高まると
- 店に置かれるようになる
- 口コミが発生しやすい(他人に使っていることを言いやすい
- 利用シーンが外に出てみられやすい
上記が起こる商材はダブルジョパティの法則が効きやすいです。逆に使われているけど周りに言いにくいものなどは法則に当てはまらない可能性があります。