タイミーが上場したので下記の「事業計画及び成長可能性に関する事項」から事業の数字を計算し、予測していきます。
webサービスのPdM視点でどうなっていくのかを予測していきます。
どんな案件が多いのか?
案件は物流、飲食、小売などがメイン。物流なんかは昔から日雇いバイトであったが飲食や小売は昔はバイトに空きが出たら必死にバイトに店長が声かけるみたいな状態だったと思うのでだいぶタイミーに助けられていそう。
介護、保育などもっと需要がありそうだが介護に関していうとすでに特化型のものがある。
齟齬と内容自体も急にその職場に行くのでできることは限られるが、上記のようにうまく棲み分けできている。
クライアント獲得
上記がクライアント1拠点あたりの流通額。資料からは期間がわからなかったがおそらくそのQ(3ヶ月)の1拠点の流通額になると考えられる。仮にそうだと仮定した場合だいたい1拠点で3ヶ月で15万ぐらいで1ヶ月5万、手数料が30%ほどなので1.5万が取り分になる。意外と少ないなあという印象。
拠点のアクティブ率
2024年2Q時点、現在25.4万拠点なので15万アクティブということは59%ほどのアクティブ率。
1年丸ごと出ている2023年10月期の数字をざっくりだが計算してみたところ
2023年10月地点でも15万の事業所を開拓し、アクティブな拠点が10万ほどで66%ほどのアクティブ率になっている。だいたいこれくらいのアクティブ率で安定すると思われる。
1拠点でどれくらい売り上げをあげるか
1拠点開拓するとどれくらい売り上げるかも計算した。
2023年10月期の数字で1年間で1拠点がどれくらい売り上げを上げるか計算したところだいたい54.5万ほどの流通額になった。テイクレートを計算しやすく30%とするとタイミーの売り上げは
54.5万*30%=16.35万
16万3500円になる。おそらく一拠点ずつ開拓していく形ではなく、チェーンなどを一気に獲得する形にはなると思う。
法的リスク
タイミーは新しいビジネスモデルのためいくつか現状の法律に抵触するのではないかという話も出ています。具体的にどんな論点があるのか挙げていきます。
偽装請負ではないのか?
タイミーのビジネスモデルでよくあがるのが偽装請負と見られるリスク。
そもそも偽装請負とは、契約上は請負(委託)契約であるにもかかわらず、実態は労働者派遣状態となっていることを指します。これは違法とされています。
正式なドキュメントが見つからなかったのですが、おそらく紹介業として紹介しているという立て付けにしており、求人企業と直接契約する形にすることで偽装請負を避けていると思われます。
社会保険料を支払う必要があるのでは?
ある程度の量を働くと社会保険料の加入をしなければいけないのですが、タイミーでは下記のように仕事を制限することで社会保険料の義務を逃れています。
お仕事の申し込み制限について
キャッシュフロー
タイミーは翌月末払いなど支払サイトが遅くなりがちな大企業の支払サイトを即日おろせるというのもメリットの一つである意味その面ではフィンテックともいえます。
先にお金が出ていくので流通金額が大きくなるほどキャッシュが必要になってくるので今後もキャッシュフロー自体は少し難易度の高いモデルになります。
と言ってもすぐに入金されることが確定されていますし、どこも与信があるところだと思うので借入自体はそこまで難しくないと思われます。
今後個人の飲食店など小さい事業者を入れていく際に与信審査などが少し難しい可能性はあります。
特化型のタイミーが出るのか?
今回タイミーが上場することで業界特化型のタイミーに注目が集まっています。保育や介護などはよく話題に出ており、介護領域だとカイテクやUcareなどが有名どころですでにあります。
結構求人企業の開拓が肝なのでその業界に強いところが参入というのはあり得そう。また介護領域とかだと誰でもできるわけでもないのでタイミーも参入しにくく、特化型が勝てる余地はあると思います。
今回保育、介護の領域をどれくらい食っているのか気になっていたのですが、意外とタイミー取れていないなあという印象です。