2024年第4四半期(10月~12月)のmetaの決算がでました。どの数字も好調で株価もかなりあがっています。

今回はなぜあがっているのか?今後metaはどうなっていくのかをIT経営者目線から解説します。金融的な目線ではなく、現場目線からの解説になります。
なぜLLMをオープンにするのか?
metaはLlamというAIモデルをオープンソースとして公開しており、決算でもなぜ独占せずにオープンソースにしているのかを質問されていました。
ちなみにオープンソースとは何かを説明するとソフトウェアのソースコードが一般に公開されており、誰でも自由に閲覧、変更、配布することができるように設計されたものを指します。
オープンソースにしている理由としてザッカーバーグは社外のエンジニアの力も借りられるため開発のコストが減ることをあげていました。これはたしかにありますが、すでにopenAIに独自でのAIのポジションは取られているのでその優位性を剥がす目的が強いと思われます。
このザッカーバーグの手により、openAIは技術の優位性が揺らいでいるのでだいぶ嫌な手だと思います。
metaはLLMの技術がみんなに広まってもmessengerはじめ、提供する面で優位性をもっているので不利にはなりません。
このオープンソースにするというのは敵の嫌がる手をうっていると解釈するほうが意図がわかります。
好調なquest3
metaというと広告の会社というイメージがありますが、実は端末の会社に変貌しつつあります。
quest3の売上は好調でReality Labs(quest3などVR系の事業)は第4四半期に初めて売上高10億ドルを突破。Questアプリはクリスマスにアプリストアで最もダウンロードされたアプリになり、端末としてはかなり広がりつつあります。これはおそらくクリスマスにゲームとして贈られたと推測できます。
メタバースってどうなんだと思われていましたが、ゲーム機として好調に推移しています。
広告はなぜ好調なのか?

VR端末だけでなく、もともとのメイン事業である広告も伸びている。
上記が広告での収益で、2023年1Qから伸び続けている。metaの広告はcookie規制などでターゲティング精度が落ち、今後の展開も不安視されていたが何が起こったのか?内訳を見ていく。
要素としては
- ユーザー数
- ユーザーあたりの収益
上記でユーザー数は全体としてあがっている。それだけでなく、1ユーザーあたりの収益性もあがっている。

ターゲティング精度が落ちるとユーザーあたりの収益性も落ちそうだがなぜあがっているのか?
可能性としては1ユーザーに見せる回数が多くなり、精度が下がった分を当てる数によりカバーしているのかもしれない。このへんの内訳は公開されていない。
じゃあ回数はどこであがっているかというとリールが成長しており、毎日35億回以上再生されている。ここが頻度を頻度を押し上げている可能性がある。
次に広告主が増えて1impに対しての価値があがった可能性もある。広告主のジャンルで言うとゲームとECが伸びたそう。ただ、これはもともと多いジャンルではある。
これらを鑑みておそらく、消去法でリールを中心に広告の接触頻度を上げてユーザーあたりの収益性をあげた可能性が高い。
あとあり得るとしたらインスタントフォームなどcookieの影響を受けないフォーマットの成長があり得るがここも公開されていないので分からない。
Threadsの成長
媒体単位でいうと気になるのが新規プロダクトのThreads。
ThreadsもMAUが1億3,000万人を超え、着実に成長。盤石すぎる。
metaは独禁法の絡みでM&Aで新規媒体を持ってくるのが難しい状態にあります。自社で新しい媒体を作り出すことができないと広告事業が伸び悩むのでThreadsが立ち上がるかは要注意。
Facebookの報告をやめファミリーアプリ全体での報告へ
広告収益も好調だが少し変わったところがあり、それはfacebookの個別でのユーザー推移を非公開にし、metaグループの媒体全体で見るようにするというもの。これは元々打ち出していた方針ではあるが、いよいよ実施される。
意図を推測するともうfacebookは伸びないので単体で出すとユーザー数が減った際にまたニュースに書かれ、不安を煽るのでそれを防ぐためかなと思う。
メッセージングアプリが肝になりそう
whatsappはじめメッセージアプリをbusinuess messengerと言ってたのが印象的だった。おそらく今後、この辺のメッセンジャーをビジネス用途で使ってもらい、LLMで専門的な質問ができるようにしたりするのかなと思う。
そうすればいきなりchatGPTに対抗するAIプロダクトが生まれることになる。
メッセージアプリをどうするか、どうAIと絡ませるかが重要そう。